定期的にコラボレーションを展開しているKIDS LOVE GAITE
よりブランドを象徴するアイテムでもある『ダブルモンクストラップシューズ』のCANNABIS別注が登場しました。
今回は再構築をテーマにデザイナーの山本真太郎さんをはじめとするとKIDS LOVE GAITEチームとの対話を繰り返しこの1足を作ってもらいました。
“CANNABIS Exclusive” Flex Double Monk Shoes ¥29,000
COLOR:BLACK・BEIGE
SIZE:7(25.5cm)・8(26.5cm)・9(27.5cm)
一見すると既視感のあるスエードのダブルモンク。
しかも色味も定番のブラックとベージュなのですが見た目はあえて正統派な色、バックルやソールやパイピングにいたっても目立つような配色を避けた間違いのない色味に仕上がっています。
じゃあ何別注なんだ?という話になりますね。
それはずばり、製法・価格・コンセプトの3点の別注になります。
KIDS LOVE GAITEと言えばブランドのコンセプト
Designer: 山本真太郎
長年のイギリス生活によりファッション、カルチャー、音楽、アーティスト(人)を肌で感じ、当時のロンドンカルチャーと今の東京をミックス。
2008年秋冬コレクションよりKIDS LOVE GAITEをスタート。
グッドイヤーウェルテッド製法を主軸に、クラシックな型に遊び心をプラス。
計算されたボリューム感を生み出すオリジナリティ溢れるデザインが特徴のシューズブランド。
にも入るようにグッドイヤーウェルテッド製法を軸に靴づくりをしており過去の展開アイテムも一部を除いてほとんどがこの製法でつくられています。
簡単におさらいをすると
グッドイヤーウェルテッド製法とは
紳士靴の基本的な製法である。中底に貼り付けられたテープのリブと呼ばれる部分に甲革、裏革と細革と呼ばれる細い帯状の革(ウェルト)を縫い付け(掬い縫い)、その細革とソールと縫合する(出し縫い)。ソールと甲革が直接縫い付けられていないため(複式縫い)、ソールが磨り減った場合はオールソールと呼ばれる、靴底全体を新たなものに付け替える修理が可能である。ただし、構造的に堅牢であるため比較的重く、硬い仕上がりになる。工程も複雑なために他の製法による靴に比べ、販売価格が高めに設定されることがある。主にビジネスシューズやワークブーツになど用いられる。歩行性・緩衝性に優れ、また長時間着用を続けるため通気性も優れたものが多い。 出典元:靴の製法 – Wikipedia
という革靴の製法ですね。
靴におけるもっとも摩耗が激しい部分を交換が可能なので長い期間履き続けることができる、履き続けるうちに中にあるコルクが沈んで自分の足の形に成長していく、など多くの利点を持った製法です。欠点をあげるとパーツの多さなどもあり数ある製法の中でもシューズ本体が重くなりがちです。
そこを今回はセメント製法と呼ばれる製法を採用しています。
同じくwikipediaによると
セメンテッド式やセメント式などとも呼ばれる。甲革とソールを縫い付けず、糊で接着する最新の製法。第2次大戦後に糊が改良され、非常に強力な接着力を実現することができた結果実用化された。ミシン工程が存在しないので、靴底から水分が浸入する可能性は無く、雨靴にも採用される。大量生産に最も適しており、紳士靴・婦人靴・ビジネスシューズ・スニーカーなど靴の種類を問わず、全ての靴の製法の中では最安価な製法である。また、最近ではソールに通気口を設けてさらに通気性を高めたものもある。出典元:靴の製法 – Wikipedia
という製法です、wikiで見る限りはグッドイヤーに比べると安っぽい印象を正直受けますね。
これはもちろん一般論的なものになり、今回の企画はKIDS LOVE GAITEの掲げている厳しい品質管理に耐えられるほど、進化したクオリティでセメント製法のシューズを作ることができる生産背景を発見したから実現しました。
そしてセメント製法の利点であるコストを抑えるという部分は残すことができ、KIDS LOVE GAITEのダブルモンクストラップシューズでありながら29,000円という価格を実現することができました、ギリギリだよ、と何度も言われましたがなんとかアンダー30,000円でお願いします、という無茶に応えてくださいました。
セメント製法は靴本体とソールは接着になるので革靴然とした見た目にもかかわらず水の侵入が無くアッパーがスエードなので積極的に雨の日に履くことを推奨はもちろんしませんが、雨の日の選択肢から自動的に排除されることもなく使っていただける仕様になっています。
製法の利点として最も体感できる部分としてはその軽さです。
トレンド全体でスニーカー全盛の中革靴がじわじわと盛り上がってきていますが、スニーカー派からするとやはり頑強な革靴だとその重さに厭いてすぐにスニーカーに戻ってしまうものです。
加えてその屈曲性も高く、スニーカーのテンションで履いた際にも様々な動きに対応する点が大きく異なります。
製法の特徴で軽くて動きやすいので自然と履いてもらう機会が増えそうだな、と思い通常の企画に比べ粗めの革を使用しているため繊細さこそないものの見た目の変化を気にせずガシガシ履いていける1足です。
CANNABISのお客さまは革靴を普段から履いているのでグッドイヤーの革靴でもなんら抵抗が無いと思いますが、2018年に10周年を迎えたKIDS LOVE GAITEのこれからを思った際に個人的にはいろんな人に改めてKIDSのダブルモンクを履いてもらいたいな、と思ってKIDSの靴の持つ魅力は損なわずに手に取ってもらいやすいのってなんだろうな、ということをお互いが考えてつくりあげたものになります。
ブラックは素直にJOHN LAWRENCE SULLIVANのスラックスに合わせてみました。
[JOHNLAWRENCESULLIVAN] SLIM TROUSERS
黒の革靴なので正直なところ合わせは自由度が高いですが、かっちり目な合わせが気分です。
ベージュに関しては同じくCANNABISがずっと取り組みを続けているKSUBIのデニムやストリートの要素を持たせたアイテムも多いSUB-AGE.などとの組み合わせをしていけたら、というご提案です。
カジュアルやストリートの文脈でClarlsのブーツのような気分で履ける革靴ってCANNABISにはあまり無いな、という意味で黒のみだと既存のKIDS LOVE GAITE×CANNABISに通ずるものがあったのであえてのカジュアル目な色味のベージュです。
まだいまいち寒くなりきらず、冬のアウターには早いかな、というタイミングに合わせてリリースしてもらったのでアウターの前に足元を固めてみてはいかがでしょうか。
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